あまりにも低額・低率要求では
15春闘(春季生活闘争)はいよいよ山場を迎えている。1955年、8単産共闘から始まった今の春闘方式(賃金決定方式)は今年で60回の節目となった。
しかし、昔総評・いま官邸と言われるように、昨年からすっかり主役が変わってしまった感がする。何でこんな体たらくなのかその原因を探ってみたい。
この安倍政権の二年間で19ケ月実質賃金の低落(対前年比)、正規労働者が42万人減、非正規労働者は167万人増、なんと非正規は1980万人、全労働者の37.5%を占めるに至った。うち1120万人(24%)が年収200万円以下に落とし込められている。一方企業の内部留保は328兆円と空前の利益だ。
政府は「日本を世界で一番企業が活躍しやすい国とすることを掲げ」トリクルダウンで経済が成長するとしているのだ。
これに対し連合中央は同じ土俵にあがり、昨年の衆議院選挙直後の12月16日「経済の好循環実現に向けた政労使会議」において経済の好循環の継続にむけて政労使一致協力して取り組むことを確認した。
確認事項は
1,昨年の政労使会議で取りまとめた取り組みの継続
2,賃金上昇等による継続的な好循環の確立
3,賃金体系の在り方
4,サービス業等の生産性向上
5,休み方・働き方改革
6,プロフェッショナルの人材還流円滑化
7,女性が働きやすい制度等への見直し
8,本取りまとめに係るフォローアップ
以上の8項目である
15春闘連合方針は
1,
「働く者を犠牲にした経済成長」を許さない
2,
継続的な賃上げで「デフレ脱却」と「経済の好循環実現」をはかる
3,
勤労者全体の雇用・労働条件・生活に関わる問題の解決に向けて
の三項目を挙げ、「賃上げ」「時短」「政策・制度実現の取り組み」の「3本柱」による「底上げ・底支え」「格差是正」の実現と、「デフレからの脱却」と「経済の好循環実現」に向けて取り組むとしている。
連合中央は本当に賃上げを取組む気があるのか?
1.
あまりにもの低額・低率要求(2%6,000円以上)、消費者物価が3.2%上昇していると言われるのに2%とは実質マイナス要求にすぎない
2.
すべてが日本経済発展のための要求でしかない
3.
消費税5〜8%へのアップ分は、「社会保障と税の一体改革はまったなしであり、財政健全化のためにも負担を分かち合うことが必要であることから」考慮しない
4.
「人への投資」を要求し、あたかも労働者全体の賃上げのように見えるが、そこには「生産性向上」に努力・貢献したと評価された労働者しか賃金は上がらないではないか。
5.
政労使が一体で賃上げとなると、労使間に政府が入り込み国家が賃金を決定することに道をひらくのではないか
6.
「日本版ホワイトカラーエグゼンプション」(高度プロフェッショナル制・年収1075以上に適用)には一応反対はしている。しかし@上限規制AインターバルB記録保管C労働者委員会の同意等が認められれば必ずしも反対ではない、という抜け道も用意している
ここに六点ほど私なりに問題点をあげたが、その他にも労働者派遣法改悪・解雇の金銭解決制度の導入など安倍政権の暴走(改憲を最終目的)はとどまるところを知らずに突き進んでいる。
それに対し連合中央は傘下の組合員の苦渋を受け止め安倍政権の攻撃に反対する運動を創らず、それを支える役割をえんじている。
連合指導部の春闘を敗北に導くことを許さず、職場から決起しよう。
(組合員D)