日本郵政の株上場を表明

 

1 日本郵政西室社長は、2014年12月26日、記者会見で日本郵政株の売却、上場を2015年秋までに、同時に金融2社(ゆう貯銀行、かんぽ生命)株も売却、上場するという親子同時売却、上場を発表した。

 この日本郵政グループの3社の株式上場は、“郵政民営化の推進、復興財源への貢献、および経営の自由な確立のため”と位置付けられ、売却規模は金融2社株の保有の50%程度となるまで段階的に売却するもので、当面総額15兆円超の超大型なのだ。

 西室は、民営化8年の今日においてようやく「本当のいみでの民営化の出発点である」と述べた。郵政民営化の新たな段階の幕開けといえる。

 

2 ところで親子同時上場をめぐって政府と日本郵政とのあいだに対立をうみだしていた。政府は、当面は、日本郵政のみの上場を考えていた。西室は、あえて金融2社の上場を主張した。それはこれを通じて金融2社を文字どおり完全民間会社としての「実」を示すことができ、あらたなる事業への進出を容易たらしめうると判断したのだ。

 また、当面は、金融2社株の50%までを売却し、その段階で全体的に日本郵政の経営を見直すことも西室は、表明した。

 日本郵便の経営困難(郵便物減と営業費用増のギャップなど)からの脱却は容易でないことを十二分に自覚しているからなのだ。しかし、日本郵便のネットワークの維持は、至上命題である(郵政民営化委員会は、ネットワーク維持はコストがかかっても保持していくべきであると主張している)ことから、このバランスをいかに実現していくかを経営の一つの柱にしているからだ。

 

3 日本郵政は、この間、日本郵便の経営改善をめざしてきた。しかし、その現実は営業収入の増加を実現してきているものの営業費用の増を余儀なくされ、赤字からの脱却は足踏みしていていかに打開していくかをさらに課題にすえざるをえない。その観点から2015年3月には、中期経営計画を見直すことを表明している。その柱は、メガ物流拠点つくり(すでに開始している)を頂点にしたさらなるリストラの推進であり、また労働力政策の実行であり、新人事給与制度の徹底化による総額人件費の大幅な削減である。

 これにJP労組は」いかに対応するのか。

 

 

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