110ccバイクの異変

 

会社側が近年導入した、新型110CCのバイクの不具合が連続して起こっている。乗車に対して不安に感じている組合員も多いのではないだろうか。

 不具合の具体的な中身は次のような点である。

1)ギアがすぐ故障して走行不能となる。(90ccではこのような不具合はまれであった。ロータリーギアのために90ccよりも強度が必要。シフトアップ・ダウンを高速回転で繰り返すためにギアに大きな力が加わる。ギアの強度不足。)

2)ステップの強度不足によって、ステップが脱落したり折れたりする。(ステップの変形を直そうとしてテコをつかって元に戻そうとすると脱落したり折れてしまったりしている。強度だけでなく材質そのものが柔軟性のない金属を使用していると思われる。)

3)ハンドルがすぐ曲がる。車体とハンドルの接合部がぐらつく。(構造的欠陥だと思われる。90ccと比べると湾曲部が大きいのと、90ccは湾曲部の強度補強のバーが設置してあった。このバーがない。乗り降りを繰り返す集配作業では大きな力がハンドルに加わるために一般のバイクの強度ではすぐ変形してしまう。)

4)ヘッドライトのカバーがすぐ変色する。(材質が劣悪なものと考えられる。)

5)フロントブレーキが冬期間凍結してロックしてしまう。(ブレーキワイヤ部に水が浸入して凍りつく。ブレーキがかかりっぱなしなった状態でロックしてしまう。なぜブレーキワイヤ部に水分が浸入するのかは不明。)

6)ナンバープレートが脱落する。(振動による金属疲労によって留め金部分にひび割れが起こる。90ccのバイクは振動を吸収するためのナンバープレートを固定するプレートが設置されていた。)

 

等々、挙げればきりがないほどである。ほとんどの不具合は、強度不足や部品の省略によって引き起こされているものと考えられる。コスト削減はバイクの安全にも表れている。110ccは110ccのシャーシーが必要である。90ccの延長では無理がくる。馬力にあわせた車体が必要である。さらに、郵便の集配作業に耐えられる仕様と車体の強度を上げなければならない。これでは欠陥バイクだ。

90ccのバイクはまがりなりにも集配労働者の改善要求の表れである。寒冷地仕様でない車両を厳寒の地で走らせればどうなるのか?ちょっと考えればすぐわかることだろう。

現場の管理者は「整備・点検なっていない」という。しかしこれは働く者への責任

転嫁だ。組合員の怒りは頂点に達している!

 

JP労組は、なにをしている

 

JR北海道の不祥事はわれわれに全く関係のないことだろうか。問題が「問題」として本社に上がっているのだろうか。原因究明がおこなわれているのだろうか。会社は、「風通しが悪い」と宅配便統合問題でいやというほど思い知らされたのに、これらの不具合は何一つ改善されていないばかりか、問題にもされていない。問題を正すべき労働組合も「コスト削減」の必要性ばかりをいう。そのためにすべて経営施策に協力しているだけで、組合員の悲痛な訴えには耳を傾けないだけでなく、会社とともに問題を闇に葬り去る手助けさえしている。

労働安全は、何を差し置いても第1でなければならないはずだ。この問題においてもJP労組中央本部は労組としての根幹を忘れている。現場組合員は組合をあてにしない、組合への求心力の欠如が話題になっている。求心力の低下を語るのであれば、まず、このことから早急に是正させることが本来の組合の任務ではないのか。

このままでは、利用者が離れ、JR北海道の二の枚になりかねない。

  会社当局もJP労組中央本部も現場主義に立て!

                         JP組合員 I

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